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コラム

社交不安障害の患者様

2023.08.08

別のところで

 当院はオフィス街にあることもあって、パフォーマンス限局型の社交不安症で通院される方が多いです。その1例をご紹介します。

 

・会社員

昇進を機に会議での発言をしなければいけなくなった。それから、会議で自分の番が近づいてくると、いろいろな不安が頭をよぎり、動悸がしてくるようになった。また、発言しようとすると、顔が赤くなっているような気がして、頭が真っ白になってしまい、何を話しているのかわからなくなることが続いた。段々と会議が怖くなり、前日の夜になるとよく眠れないようになってきたため、来院した。

 

会議の不安、緊張感が強くて、生活に支障を来しているので、内服治療を行うことにしました。会議の頻度は、月に1-2回とのことでしたので、会議の前に飲むタイプの薬を内服することにしました。また、前日に不安や緊張で眠れなかった場合に使用する睡眠薬も処方しました。

 

会議前に内服をすることで、会議の緊張、不安はだいぶ和らぎました。何回か繰り返すうちに、前日の夜は薬なしで眠れるようになりました。最近では、調子のいい日や、会議の内容によっては内服をしないでも大丈夫になり、通院も2-3か月に1度になっています。

 

前回の記事https://www.wakei-kai.or.jp/pedi/668/

社交不安症について

 

このような方たちによく「こんなことで受診してよかったのですか?」と聞かれます。些細なことと思われても、もしかしてメンタルの問題なのかもしれないということで生活に支障を来していたら、一度相談をしてみてください。

 

記事の執筆者

副院長:近野祐介