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コラム

季節性感情障害(SAD:Seasonal Affective Disorder)を乗り越えるための光療法

2023.11.16

これまで、季節性感情障害として冬のうつ(冬季うつ病)や夏の躁について紹介してきました。今回は、冬のうつの光療法についての話です。

 

-冬のうつの原因

日照時間の不足、照度(光の強さ)の変化が原因と考えられています。

 

-冬のうつの症状がもたらす悪循環

冬季うつ病の症状の特徴的症状として、疲れやすく怠い、やる気が出ない、眠い、炭水化物を多く食べる、といったものがあります。寒いから、怠いから、やる気が出ないから、外出頻度が減り、更に日照時間が減るという悪循環が起こります。また、運動不足も冬季うつの症状を悪くします。

 

日光をより多く浴び、またこれらの悪循環を断ち切ることで、状態が改善することが見込まれます。日光を浴びること、適度な運動、バランスの良い食事を心がけましょう。日中に散歩をして光を浴びるのが効果的で、これだけで症状がある程度改善する人もいます。しかし、これだけでは中々症状が改善しない人もいるので、その場合は高照度光療法を検討します。

 

-高照度光療法

高照度光療法は、専用の機器を用いて光を浴びる治療方法です。様々なタイプの機器が開発されていますが、効果が明確に認められているのはボックス型と呼ばれるものです。

 

効果:多くの研究で効果が認められており、約30-60%の人に有効です。

副作用:頭痛などの副作用があるものの、薬物療法に比べて少ないとされています。

デメリット:毎日、主に午前中に20-30分間の照射が必要です。日本では保険適応外です。

 

必要な照度や照射時間には個人差があり、特定の疾患を持つ場合は高照度光療法が適さないこともあります。使用方法等の詳細については、医療機関にご相談ください。